研究課題/領域番号 |
18K16580
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西堀 正洋 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90777575)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 海綿静脈洞 / 硬膜動静脈瘻 / 性ホルモン / 海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻 / 下垂体ホルモン / 性差 / 発生要因 |
研究実績の概要 |
硬膜動静脈瘻は後天的に生じる稀な頭蓋内シャント疾患である。発生部位は頭蓋内の種々の部位があるが、日本における全国調査の結果より、海綿静脈洞部は他の部位に比して2倍以上男性より女性に多い。症状は多彩であり、また診断や治療においては非常に専門的な知識と経験を必要とする疾患である。硬膜動静脈瘻の原因は未だに不明であるが、外傷・骨折・炎症・静脈高血圧など多くの複合的因子が関与する。海綿静脈洞部は脳下垂体に接している静脈洞であり、ここを経由して下垂体ホルモンが血中に分泌されているため、性差を考慮すると、同部位には少なからず性ホルモンの影響があると推察される。その関連を明確に示唆する研究や論文は極めて少ない。 そのため、この部位における発生要因としての下垂体ホルモンやその周辺因子につき評価および研究を行う。また本研究は実際に多くの硬膜動静脈瘻について治療を行っている施設でなければ成立しづらく、当施設は本疾患において基幹病院であるため研究を進めることができる。性ホルモンとその代謝因子、生活背景の因子(飲酒・喫煙・妊娠分娩歴など)なども合わせて調査する。現在は本学生命倫理委員会へ申請を行うと同時に、機器部門と相談し、性ホルモンの測定についてELISA法を用いて解析を勧めている。同意いただいた症例より血液サンプルを採取し、解析を行った。 海綿静脈洞部・内頸静脈・末梢で比較すると、明確な差はなかったが、正常値よりも性ホルモンの濃度が高値である症例があった。現在は外来患者などを含めて追加実験を行い、その正当性を追加評価している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海綿静脈洞部・横静脈洞部の硬膜動静脈瘻の症例に対して現在までに多くの血液サンプルを得て、ELISA法を中心に解析を行っている。生活背景の因子(飲酒・喫煙・妊娠分娩歴など)なども合わせて調査している。 現在第一段階の解析は終了し、それを踏まえて母集団を増やし第二段階での解析を進めている。この結果を元に論文作成に至る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海綿静脈洞部・横静脈洞部の症例から得たサンプルに対してELISA法にて解析を行っている。 現在母集団を増やしながら、二次解析中であり、論文化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度までにサンプルの2次解析並びに論文作成が進まなかったため一部残っている。 期間延長したため、残額予算にて追加解析と論文作成に充てる予定である。
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