本研究は、血管新生作用の報告があるleucine-rich alpha2-glycoprotein(LRG)が脳の血管においても血管新生作用があるかを検証し、その血管新生作用が脳梗塞において脳保護にどのように寄与するかの解明を目指したものである。 われわれはLRGによる血管新生を生じさせる刺激(preconditionig)として一過性脳虚血を作成することを選択した。一過性脳虚血モデルの確立した。具体的には、マウスを用いたスレッドモデルにより一過性に中大脳動脈閉塞、再灌流させるモデルで10分間の一過性中大脳動脈(preconditioning)の閉塞の48時間後に60分の中大脳動脈閉塞を作成することとした。上記に並行して、preconditiongを行なった48時間後に、一過性に閉塞させた中大脳動脈の灌流領域でのLRG1の発現を免疫染色を用いて調べた。その結果、前記灌流領域でLRG1の発現の亢進を認めた。 その後Vitro研究もおこない、iPS細胞から脳オルガノイド作成を行う研究を行っており、その実験系を用いて脳オルガノイド2日目、42日目、70日目のLeucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG1)のRNA発現を調べた。結果としてiPS細胞の発現量を1とした時にLRG1はDay42には約4倍、day70日には約3倍の発現量を認めた。 本年度はコロナ禍であり実験が遅延している状況である。今後研究環境を整備する。
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