研究課題/領域番号 |
18K16583
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
角野 喜則 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60770675)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | くも膜下出血 / 早期脳損傷 / AMPA受容体拮抗薬 |
研究実績の概要 |
今年度は研究計画の初年度として、まず計画の全容に対して、前段階の実験と今後の実験の準備を進めた。実験モデルとして予定していた、中大脳動脈穿孔によるくも膜下出血モデルについては、当初ラットでの計画であったが、今後の実験も考慮して、マウスを用いたモデルへと変更した。モデルは当研究室の中大脳動脈閉塞スレッドモデルを応用し作成しているが、重症度のコントロールが難しく、生存率で既存実験ほどの安定性がまだ得ることができておらず、現在条件を見直し中である。並行して、予定していた実験の一部に関して使用する既存の資料を用いた実験のため、現在国内企業に対して資料提供のための申請・契約をすすめている。実験計画や契約の内容は問題なく、次年度には資料を用いた実験が開始できる予定である。この資料を用いた実験では、くも膜下出血における早期脳損傷とグルタミン酸系を介した神経興奮との関係をあきらかにし、さらにその結果としてCSDやてんかん波に及ぼす影響をあきらかにしていくことを目標としてる。CSDを計測するための機器のセッティングや、実験器具もマウスにあわせて今年度見直しを行った。また、最終的には臨床応用可能な治療法の探索を目指すため、臨床現場ですばやく早期脳損傷を判定、モニタリング可能な指標の開発を目的とした、重症くも膜下出血を対象とした臨床研究の計画もすすめている。こちらに関しては倫理委員会などの準備を進めているところであり、早ければ次年度よりデータの収集を開始していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた計画の一部に関して、既存の資料を用いた研究を行うため、資料提供のための申請・契約を現在すすめている。実験系はモデルとして予定していた、中大脳動脈穿孔によるくも膜下出血モデルラットを、今後の実験計画も考慮して、マウスを用いたモデルへと変更し、やや遅れが生じている。実験計測機器の準備は予定通りに進捗しており、今後、動物モデルを用いた実験を順次すすめていく。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた計画の全容に対して、現在は前段階の実験を進めている。またモデルを用いた実験の一部に関して、既存の資料を用いて確実な結果を得られるようにするため、現在国内企業に対して資料提供のための申請・契約をすすめている。次年度は、早期脳損傷とCSDやてんかん波の関係をあきらかにするための実験をすすめ、さらに次の実験でその因果関係を追求し、可能であれば臨床現場でのデータなども収集し、最終的にはその治療法の探索と効果の検証実験を順次すすめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の計画の一部変更と、準備のため、動物実験の進捗が少しおくれており、そのために予算が次年度へ繰り越すこととなった。今後は実験計画にそって、計画的に予算を執行し、最終的には予算とのずれは大きく生じない予定である。
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