GSPT1はRac1の下流の分子で、細胞周期を調節する重要な分子である。最近GSPT1阻害剤として報告されたセレブロン結合分子CC-885による抗腫瘍効果について、グリオーマ細胞を用いて解析した。悪性グリオーマではGSPT1の発現量と予後とに関連性は無かった。CC-885をグリオーマ細胞に添加すると、GSPT1の蛋白発現は著明に低下し、細胞増殖も抑制された。マウスの脳移植モデルにCC-885を投与すると、脳内で腫瘍の増大が抑制され、アポトーシスも増加し、マウスの生存期間も有意に延長した。以上より、CC-995はグリオーマ細胞に対して高い抗腫瘍作用をしめし、新たな治療薬となる可能性が示唆された。
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