腫瘍幹細胞は、非対称分裂と対称分裂を使い分けることで、幹細胞性の維持と腫瘍組織の不均一性のバランスをとり、様々な環境に適応する。それが腫瘍形成や増殖、さらには放射線治療や薬物治療に対する抵抗性に深く関わっている。分裂機構を制御して、腫瘍組織から腫瘍形成能を有する腫瘍幹細胞をできる限り排除し、より分化した細胞集団に導くことが有効な治療法のひとつと考えられる。我々は、BMP4の幹細胞性を阻害する作用について検討した。BMP4投与により非対称分裂が誘発されることで、細胞集団の中で幹細胞性の低い細胞の割合が増えていると考えられた。
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