研究実績の概要 |
移植幹細胞の光刺激においては、損傷部位の近傍に光刺激装置のカニューレ先端を埋めこむ必要がある。損傷部位の移植幹細胞のオプトジェネティクスによる変化・動態を観察するためには、この部位の移植幹細胞に光刺激が届かなければならないからである。我々の予定していた実験系においては脊髄損傷モデルを用い光刺激装置(Teleopto)を埋め込むことを想定していたが、実際に脊髄損傷モデルで背部にTeleoptoを埋め込むことは設置部位として不安定性であり、機械を適切に機能させることが困難であることが判明した。 同様の神経損傷モデルとして、安定性の良い頭蓋骨を利用できる脳損傷モデルを用いることに変更して、同様の幹細胞の光刺激を行うことを計画している。現在、8週齢程度、C57BL6約20g雌の脳損傷モデルの作成を計画している。 細胞実験では、神経幹細胞の初代培養を行い、継代させて神経幹細胞のストックを作成のうえ冷凍保存した。 神経幹細胞を継代培養し、未分化神経幹細胞であることをnestin抗体にて確認した。さらに、それらの神経幹細胞を分化培地で培養して、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化能を免疫染色(GFAP, betaⅢ tubline, O4)にて確認した。以上のことから使用する神経幹細胞において、分裂能と多能性を確認できている。 本年度はチャネルロドプシン2、ハロロドプシンのプラスミドを購入し、大腸菌にてプラスミド増幅、およびエレクトロポレーションを行い神経幹細胞に遺伝子導入を行う段階となっている。
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