研究実績の概要 |
本研究の目的は,脊椎変性後弯症の程度と運動機能分析装置での立位バランス能力評価の相関関係を評価することで,その有効性を検討することである.また過去の報告を基に立位バランス能力に関して影響を及ぼすとされている3つの因子(①片脚立位時間,②ロコモ度テスト,③下肢および体幹筋量)との相関関係を解析しエビデンスの確立を目指す.さらに本研究で測定する各種検査間同士の相関関係を解析し脊椎変性後弯症にはどのような立位バランス能力の低下が関与しているのか(病態解明)を明らかにする. 平成30年度の122名に加えて平成31年度は86名の対象を追加し研究(総対象患者数 208名)を行った.レントゲン画像を用い後弯の主要パラメーターとして国際的に使用(SRS-Schwab分類)されているSagittal Vertical Axis (SVA), Pelvic Incidence (PI)マイナスLumber Lordosis (LL),Pelvic Tilt (PT)を計測した.運動機能分析装置を用い立位バランススコアを算出した.また,片脚立位時間とロコモ度テスト(立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25)および下肢,体幹筋量測定を行った.結果として,すべてのパラメーターと立位バランススコアの間には有意な相関関係を認めなかった.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は測定項目が多く,効率的にすべての検査を遂行するには効率良く測定できるような導線の確立や測定者各自のラーニングカーブを早めるための工夫が重 要と考えている.そのため,今後も2カ月に1回程度,全体でのプログレスミーティング(理学療法士,看護師)を行うことで定期的に問題点や進捗を確認する予定であ る.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果が十分ではなく研究計画と比べて,データ入力や統計解析補助員の雇用日数を少なくしたため人件費が減額となった.また,学会発表を行うことができなかった.そのため旅費が発生しなかった. 次年度は本格的にデータ解析を行い研究発表をする予定である.従って,データ入力補助および統計解析に関する補助員の人件費が必要である.また,学会報告を多く行う予定のため旅費も必要である.
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