研究実績の概要 |
本研究の目的は,脊椎変性後弯症の程度と運動機能分析装置での立位バランス能力評価の相関関係を評価することで,その有効性を検討することである.また過去の報告を基に立位バランス能力に関して影響を及ぼすとされている3つの因子(①片脚立位時間,②ロコモ度テスト,③下肢および体幹筋量)との相関関係を解析しエビデンスの確立を目指す.さらに本研究で測定する各種検査間同士の相関関係を解析し脊椎変性後弯症にはどのような立位バランス能力の低下が関与しているのか(病態解明)を明らかにする. 2018-2020年度の研究期間において総対象患者数 419名を対象とし研究を行った.レントゲン画像を用い後弯の主要パラメーターとして国際的に使用(SRS-Schwab分類)されているSagittal Vertical Axis (SVA), Pelvic Incidence (PI)マイナスLumber Lordosis (LL),Pelvic Tilt (PT)を計測した.運動機能分析装置を用い立位バランススコアを算出した.また,片脚立位時間とロコモ度テスト(立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25)および下肢,体幹筋量測定を行った.結果として,すべてのパラメーターと立位バランススコアの間には有意な相関関係を認めなかった.
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