研究課題/領域番号 |
18K16614
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
滝沢 崇 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (40748109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 整形外科 / 骨再生 / 骨補填剤 / チタン / 生体材料 |
研究実績の概要 |
Titanium Fiber Plate(以下TFP)は骨と厳密に同等の弾性率を持ち合わせた線維性の多孔性構造を有しており、 既に骨再生の足場材として有用であると報告した。今回チタン繊維の長さと直径の比を定義したアスペクト比(Aspect Ratio:AR)を調節することにより表面積、多孔率、引張率の高い改良型のTFP(AR500)を開発できた。AR500のTFPを用いて、1. In vitroで従来のTFPと比較して細胞増殖能・細胞接着能に優れているか、 2. In vivoで脊椎横突起間に改良型TFPを使用して骨癒合を促すことができるか、これらの研究によって、改良型の新規TFPが整形外科脊椎手術治療における骨補填剤として有用かどうかを検討する。 本研究で検証するTFPの骨補填剤としての用途は、現在の整形外科脊椎手術治療における重要な課題を解決する。本研究により高い有効性を認められれば、脊椎固定術の際の骨癒合率の向上を見込むことが出来、早期に整形外科手術への導入が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. In vitroにてARを変更した改良型TFPが、従来のTFPと比較して細胞増殖能・細胞接着能に優れるかどうか検討した。細胞増殖能評価として、従来型TFPと改良型TFPにMC3T3-E1細胞を播種し、培養を行い、1・3・7日後にAlamar Blue assayにて細胞増殖を評価した。1日後には同等であった細胞増殖が、3・7日後には改良型TFPで従来型TFPよりも有意に増加していた。細胞接着能評価として、細胞増殖能評価と同様に細胞を播種し、1日後に細胞の蛍光染色およびSEMでの観察を行った。従来型TFPと改良型TFP、共に表面に良好な細胞の接着を認めた。 2. In vivoで脊椎横突起間にTFPを使用して骨癒合を促すことができるか検討した。骨再生評価として、ラットの脊椎横突起(L4/5)を露出して横突起をデコルチケーションし、一方にはTFPを移植した群(TFP群: n=5)と移植しない群(Empty群: n=5)でどちらが骨再生されるかを比較評価した。移植に用いるTFPサイズは3mm×5mmとした。実験では術後1、4、8、12週後のMicro-computed tomogramphyを用いた画像と組織標本で評価した。単純CT評価において、Empty群では骨再生を全く認めなかったのに対して、TFP群では有意に骨再生を認めた。骨組織標本においてもTFP群で骨再生を認めた。
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今後の研究の推進方策 |
上記の結果より、改良型TFPは従来型よりもIn vitroにて細胞増殖能に優れることが明らかになった。繊維長が長いためによりARの短いものよりも高い表面積と多孔率を有するためと考えられる。 本年度はIn vivoにて、改良型TFPが従来型TFPと比較して、より骨癒合を促すことができるか検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由 当初計画で見込んだ額よりも安価に研究が進んだために次年度使用額が生じた。 使用計画 次年度使用額は令和2年度請求額と合わせて消耗品費,英文論文校正費・投稿費として使用する計画である。
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