今後の研究の推進方策 |
シグナルXを活性化可能な腱特異的コンディショナルマウスScx-CreERT2/Gene A flox/floxマウスを使用する。この高齢マウスにタモキシフェンを投与して腱細胞特異的にGene Aをノックアウトし、シグナルXの活性化を誘導した後、アキレス腱損傷モデルを作製する。腱再生部の免疫染色(腱マーカー:Scx, Tnmd, Collagen I) 、電子顕微鏡解析(コラーゲン線維数および線維径)、力学強度試験を行い、腱再生効果を評価する。さらに高齢マウスのアキレス腱損傷モデルに対して、シグナルX活性化剤を投与することで、生理的腱再生が得られるか否かを確認する。 また、本年度に作製したαSMA-CreERT2とCre依存的シグナルYの活性化マウスおよびノックアウトマウスと交配して仔を得る。仔が成体となった後にアキレス腱断裂モデルを作製し、損傷後5日目にタモキシフェンを投与して筋線維芽細胞でCreリコンビネーションを誘導する。シグナルYの安定化またはノックアウトによって生じる腱再生部の組織学的変化を、免疫染色(瘢痕マーカー:αSMA , Collagen III, 腱マーカー:Tnmd, Collagen I)や電子顕微鏡にて解析する。シグナルYが筋線維芽細胞を正に制御する(瘢痕形成を促進する)ことが明らかとなった場合、本シグナル阻害剤を投与することで、高齢マウスの腱損傷部の瘢痕形成が抑制されるか否かを確認する。
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