研究課題/領域番号 |
18K16620
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中川 泰伸 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30801633)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 手指変形性関節症 / 関節症 / コホート / 奥三河 / 新城市 / Hand OA |
研究実績の概要 |
手指変形性関節症(Hand OA)に特異的な患者立脚型評価票であるFunctional index for Hand Osteoarthritis (FIHOA)の日本語版作成のため,国内16施設と連携しHand OA患者計210人の登録・データ収集を終了した.現在,集計した結果をまとめ,publicationの準備を行っている段階である.本研究成果により,今後Hand OA研究を行う上で問題となる,症状を有する患者(Symptomatic OA)と症状を有しない患者(non-symptomatic hand OA)間の識別が容易となる.また,本研究での枠組みを発展させることで,多施設研究の基盤となることが期待される.本研究成果は,その途中経過を2018年4月26日-27日京王プラザホテル(東京)で行われた第62回日本手外科学会にて発表した. 研究計画のもう一つの柱である新城市との提携(一般市民を対象としたコホート作成)については,平成30年8月20日に新城市と名古屋大学との間で「医療、健康維持等に係る包括的な連携推進に関する協定」が締結された.健康寿命、労働寿命の極大化を目指す各種研究を推進するための連携であり,これをhand OAに活かしていく. また,Hand OAに対する知識を広げるため,雑誌整形・災害外科で特集された【これで完璧! 手の変形性関節症-最新のエビデンスから紐解く-】に2編寄稿を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本語版FIHOAの妥当性評価のために多施設でhand OA患者の登録を行っていたが,2018年9月に目標の200人に届かなかったため,登録期間をから2018年12月に延長した.このため,publicationの時期が2019年にずれ込んでいる. 新城市の一般住民を対象としたコホート作成について,まずはデータ収集の方法確立と,サンプル確保の容易さから,市民全体を対象とする前に,市職員の健診の枠組みを利用したデータ収集を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度内に,「手指変形性関節症に用いる患者立脚型評価票Functional Index for Hand Osteoarthritisの日本語版作成及び妥当性の検証」の最終結果報告,およびpublicationを行う.同年には,日本手外科学会,OARSI(世界関節症学会),EULAR(ヨーロッパリウマチ学会)にて研究の成果発表が決定している.また,日本整形外科学会学術集会でhand OAのシンポジストとして参加する予定であり,hand OAの治療の現状と問題点を他の整形外科医と共有する予定である. 新城コホート全体の目的である「高齢者の健康寿命を延ばし、世の中に貢献できる社会の実現に寄与すること」を実現するため,hand OA患者データベース構築を継続する.
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通りに予算は執行されたと考えており,次年度についても予定取り予算を執行していく予定である.
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