研究実績の概要 |
三次元印刷技術を用いて外径4mm長さ8mmの円柱状ポリカプロラクトン多孔体を作成した。ラットの大腿骨に8mmのcritical sized defectを作成し、骨欠損部には作成した多孔体を留置し、superficial epigastric arteryを多孔体中央チャネルに挿入、術後4,8週でレントゲン評価、術後8週で腹部大動脈からMicrofilを注入し血管造影による血管形成量の調査をおこなった。また、標本の脱灰前後のマイクロCT撮影により骨形成量評価も行った。CT撮影後には樹脂に包埋して切り出したのちにVanGieson pichrofucsin, stevenel's blue染色を行い多孔体内への骨、血管進入の組織学的評価を行った。骨欠損に多孔体のみを留置したGroup1と、多孔体にsuperficial epigastric artery(SEA)を挿入したGroup2、多孔体にBMP2を添付したGroup3、多孔体にBMP2を添付しかつSEAを挿入したのGroup4の比較を行うこととした。CTで評価した術後8週の骨形成量はGroup1に比してGroup2の方が有意多く、Group3,4はGroup2よりもさらに多いという結果であった。血管造影CT検査においてもGroup2でGroup1よりも有意に血管量が多いという結果であった。血管量ではGroup2と3に差はなく、Group4では2,3よりも有意に多かった。Group2の血管量は無治療ラット大腿骨の血管量よりも多かった。多孔体中央トンネル内のみについて血管形成量を評価したところ、Group1とGroup2血管形成量の差はより顕著なものとなっていた。トンネル内血管量はGroup4でもっとも増大していた。作成した組織標本においてもGroup2,3,4では旺盛な多孔体での血管進入が確認できた。
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