ラット大腿骨を骨切りし、創外固定器を用いて1mm骨欠損モデルを作成し、50mg/mlの新規開発低接着性コラーゲンを移植した群(低接着性コラーゲン-50群)、150mg/mlの新規開発低接着性コラーゲンを移植した群(低接着性コラーゲン-150群)と何も移植していないコントロール群に分けた。手術直後、14日目と28日目にX線撮影し、骨癒合の程度をAllen's grading systemを用いて評価した。コントロール群および低接着性コラーゲン-150群(28日目)の大腿骨を、力学試験に使用した。14日目と28日目に、欠損部の組織学的評価を行った。 21日目に、低接着性コラーゲン-150群とコントロール群で、骨欠損部に再生した組織における、骨芽細胞マーカー(Osx、Runx2、ALP、OC)および軟骨細胞分化マーカー(Collagen-Ⅱ、Collagen-Ⅹ)のmRNAレベルをqPCRにより評価した。結果:X線解析の結果、28日目において、低接着性コラーゲン-150群では83.3%が完全骨癒合したのに対し、低接着性コラーゲン-50群では45.8%、コントロール群では12.5%しか達成できなかった(P<0.05)。28日目のAllen's scoreは低接着性コラーゲン-150群が、低接着性コラーゲン-50群およびコントロール群より有意に高かった(P<0.05)。 また低接着性コラーゲン-150群において再生した骨組織の生体力学的な剛性が高いことがわかった。さらに、骨欠損部から採取した組織の骨芽細胞マーカーと軟骨マーカーは、コントロール群に比べ低接着性コラーゲン-150群で有意に高い値を示した。これらから、低接着性コラーゲン-150群において、他の群と比較して骨癒合が有意に進行することが明らかになった。
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