• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

軟骨細胞のストレス応答におけるSIRT1の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16630
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

井上 裕章  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 学内講師 (60457968)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードSirt1 / HSP70 / 軟骨代謝
研究実績の概要

Sirt1のHSP70を介した軟骨保護効果についてin vitroで検討した。6週齢雄性のwistar系ラットの肩関節、股関節、膝関節から軟骨組織を採取し、軟骨細胞を単離した。単離した軟骨細胞を単層培養し、resveratrolなどのSirt1賦活剤を用いてSirt1を賦活化した。各種賦活剤の細胞毒性を確認し適切な濃度を決定した後、刺激時間によるSirt1、HSP70およびanabolic factorの発現をrealtime PCR、Western blottingを用いて遺伝子レベル、タンパクレベルで検討した。結果、各種Sirt1賦活剤によってSirt1は遺伝子レベル、タンパクレベルで発現は亢進した。HSP70の発現は上昇傾向はあったが有意な変化は認めなかった。 aggrecan、col2の発現にも変化はなかった。siRNAを用いてSirt1の抑制実験を行ったが、HSP70の発現には影響を与えなかった。本実験では6週齢wistar系ラット 由来の軟骨細胞を使用しており、加齢によって発現が減少するSirt1のは影響が少ないのではないかと考えた。
そのため、Sirt1を搭載したplasmid vectorを開発し、軟骨細胞にtransfectionすることでSirt1を強制発現させ、SIRT1の発現をより上昇させた後に遺伝子の発現量を検討した。軟骨細胞へのtransfectionにはelectroporation法を用いてplasmidを導入しSirt1を一過性発現させた。transfection後の軟骨細胞ではHSF発現には変化がなかったが、Sirt1、HSP70の発現が優位に上昇していた。このことから軟骨細胞においてHSP70はSirt1発現量に依存して発現が変化することが明らかとなった。
今後、Sirt1とHSP70を賦活化した状態での軟骨保護効果を検討するために、過度な熱ストレスを加えた状態でのanabolic factorの発現や細胞毒性の評価を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Sirt1のplasmid vectorの作製、導入方法の検討に時間を要した。

今後の研究の推進方策

軟骨細胞におけるSirt1の強制発現ではSirt1、HSP70の発現が優位に上昇していた。このことから軟骨細胞においてHSP70はSirt1発現量に依存して発現が変化することが明らかとなった。
今後、Sirt1とHSP70を賦活化した状態での軟骨保護効果を検討するために、Sirt1を導入した軟骨細胞に43°の過度な熱ストレスを加えることによる、anabolic factorの発現や細胞毒性の変化を、遺伝子レベル、タンパクレベルで検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

Sirt1のplasmid作製、軟骨細胞への導入方法の検討に時間を要し、その後の研究役購入を先送りしているため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effect of HIF-1α stabilization by deferoxamine on chondrocyte and articular cartilage2020

    • 著者名/発表者名
      Kaihara K, Nakagawa S, Arai Y, Fujii Y, Inoue H, Tsuchida S, Kamada Y, Mazda O, Mikami Y
    • 学会等名
      2020 Annual Meeting of Orthopaedic Research Society
    • 国際学会
  • [学会発表] CIAラットを用いたtreadmill走行の骨破壊へ与える影響の検討2019

    • 著者名/発表者名
      貝原健太,井上裕章,中川周士,新井祐志,土田真嗣,下村征史,藤井雄太,松田 修,久保俊一
    • 学会等名
      第34回日本整形外科学会基礎学術集会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi