本研究の目的は、幹細胞を用いて、低酸素環境から通常酸素環境への変化時の分子レベルの機序を通して変形性膝関節症の病態解明をおこなうことである。昨今の急速なiPS細胞研究の基盤整備を鑑み、実験対象細胞をヒトiPS細胞に変更した。 まず通常酸素下で骨分化誘導実験を行い、各評価で骨分化を確認した。遺伝子発現評価ではインターナルコントロール遺伝子として設定が重要であり、各候補遺伝子から解析ソフトにて、TATA box binding proteinが本実験系における最適な遺伝子と決定した。今後は酸素環境を調節し、ヒトiPS細胞骨分化能に対する酸素濃度の検証を継続していく予定である。
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