骨肉腫は若年層で最多の骨腫瘍である。本研究では、有効な治療法のない骨肉腫肺転移に対して肺線維化抑制が有用かを検証した。臨床サンプルとマウス骨肉腫肺転移モデルで、骨肉腫の肺転移に伴い肺線維芽細胞が活性化し、肺線維化が進行することを確認した。軟らかい環境で骨肉腫細胞の増殖は線維量に依存した。線維化抑制剤であるピルフェニドン、ニンテダニブいずれも、マウス骨肉腫肺転移モデルにおいて有意に肺転移を抑制した。乳がんなどで線維化抑制剤は転移抑制効果が否定されているが、軟らかい環境への適応性が異なる骨肉腫のような腫瘍では線維化抑制剤が肺転移抑制に有用である可能性がある。
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