研究実績の概要 |
まずモノヨード酢酸(MIA)関節内投与による薬剤誘発性の変形性膝関節症モデルのラットを作成した。本研究において、薬剤投与により関節症性変化が強く発現するとアルギン酸の関節保護作用が確認できなくなる可能性があるため、中等度の関節症性変化を引き起こすMIAの投与量と、その後の薬剤を投与する時期を決める必要があるため、MIA0.5mgと1.0㎎の2群で投与し、術後1,2,6週で肉眼的、及び組織学的に変性を評価した。結果、0.5㎎ではMIA投与後2週では中等度、6週では著しい変性変化を来した。一方1.0mgではMIA投与後2週の時点で既に著しい変性変化を来していた。この結果より、本研究ではMIAの投与量は0.5mgとし、抗神経成長因子(Neuro Growth Factor:NGF)抗体やアルギン酸の投与は2週後とするのが適当であるということに至った。このMIA誘発性変形性膝関節症モデルを用いて抗NGF(神経成長因子)抗体の除痛効果をincapicitance meterを用いた両下肢の荷重分布、Von freyテストを用いたMechanical allodyniaにより評価した。抗NGF抗体の至適投与量を決めるため抗NGF抗体投与量0,1,10,100μgの4群で、週1回4週連続投与を行い、投与後12週で組織学的評価を行った。 アルギン酸の関節保護作用については、抗NGF抗体単独投与と、抗NGF抗体にアルギン酸を追加投与とで、除痛効果、膝の変性の程度を比較検討を行う。
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