申請者は、Wnt/β-cateninシグナルの活性化剤であるCHIR99021及びレチノイン酸受容体作動薬であるTTNPBという2種類の低分子化合物の組み合わせによる、簡便かつ高効率なヒトiPS細胞の軟骨細胞への分化誘導法を確立した。 本誘導法の各分化段階における詳細な網羅的発現解析、及びATAC-seqやChIP-seqによる網羅的エピゲノム解析を通して、本誘導法の軟骨分化過程における分子メカニズムの一端を明らかにした。 またヒトiPS細胞から本誘導法を用いて作成した分化誘導細胞を用いて、免疫不全マウスへの各種移植実験を行い、生体における良好な硝子軟骨組織の形成能を有していることを示した。
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