研究課題/領域番号 |
18K16649
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宇賀治 修平 金沢大学, 附属病院, 医員 (90782962)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脂肪幹細胞 / 骨再生 |
研究実績の概要 |
骨欠損モデルでは,結果にばらつきが生じるために,骨欠損モデルから骨孔モデルへと変更を行った.脂肪幹細胞シートの作成は安定して行うことができ,骨欠損孔にシートを挿入することで安定した成果を得ることができている.骨欠損モデルでは,切除量により結果が異なることや,脂肪幹細胞シートがそこにとどまることができないことがあるために安定した成果は得られなかった.骨欠損孔にすることで同じドリルを用いれば骨欠損孔の再現性は高く,さらに欠損孔にシートをつめることでシートをその場所に留まらせることが可能になったと考えられる.
コントロール群,脂肪幹細胞シート群,分化シート群と3群でそれぞれ,5匹ずつの作成は終わり,コントロール群に対して,有意差をもって改善していることがわかった.脂肪幹細胞シートは骨折治癒を早めることができることが証明された.しかし,シート間すなわち脂肪幹細胞シートとその分化シートでは有意差が生じず,シート自身が骨になるのではなく,脂肪幹細胞シートによるParacrine効果によるもので骨癒合が早まっているのではないかと考察された.
現在は組織学的評価を行うために標本を作成している.組織学的評価では必要となる切片を作成する際に,狙った断面で切離することができず,試行錯誤している.シートも脂肪幹細胞シート,軟骨分化シートの作成は安定して行えているが,他のシートは安定した作製に難渋している. 組織学的評価が完了次第,論文作成を行う予定である.Taget journalはPLOS ONEを考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルを変更したことにより,骨評価の方法が変更となったが,定量化は容易となった. 種々のシートは作製が安定しないために,作成が可能な脂肪幹細胞シート,分化誘導シートの2種類で検討を行っていくこととした.論文作成は可能な範囲で行っている.
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今後の研究の推進方策 |
組織学的評価さえ行えれば,一番重要である脂肪幹細胞シートの効果は確認できるので,論文執筆は可能と考えられる.すでに執筆は開始しており,順調である.組織学的評価については,切片の作製を検討をしている.
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次年度使用額が生じた理由 |
シートの作成が安定して,行えず購入予定だったラットを延期しているためにその分の出費が減少した点が大きく影響を及ぼしている,
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