研究実績の概要 |
HAS2の過剰発現による抗炎症作用に関するin vitroの実験を更にすすめ、ヒト、ウシの軟骨細胞におけるHAS2過剰発現によるMMP-3, -13、またIL-6、TSG6などの炎症マーカーのmRNAレベル、タンパクレベルでの発現がHAS2の過剰発現量依存的、ベクターウイルスの力価依存的に抑制されることを確認した。また、炎症マーカーの上昇を誘導する分子がIL-1βだけでなく、TNFα、Lipopolysaccharide、低分子ヒアルロン酸誘導型の炎症作用に対する効果があることも確認し、その成果を「Journal of Biochemistry, 2019」で報告した。それに続くIn vivo実験として研究計画にあったDMM OAモデルマウスの作成を行い、OA変化が生じていることの確認を行うため、DMM OAモデルマウスを作成後、膝関節のサフラニンO染色でプロテオグリカンの喪失が生じていることを確認した。また同組織における免疫組織化学染色を行いMMP-3、-13の発現解析により各種分解酵素のタンパクの発現上昇、局在を確認した。上記の作成したDMM OAモデルマウスを用いて、本研究と平行してその効果に関する研究を行っているヒアルロン酸合成阻害剤である4-Methylumbelliferone, 4-MUをOAモデルマウスの膝関節内に投与し、上述した各種OA変化が抑制されることを確認しており、その成果を「Journal of Orthopedic Research, 2020」で報告した。また4-MUに関しては同じく膝関節内組織である前十字・後十字靭帯に対する抗炎症効果があることをTKAの際に採取した靭帯由来細胞を用いたin vitroの実験で確認しており、その成果は「日本整形外科基礎学術集会2020」「ORS 2021」で報告した。それらの内容は現在論文投稿中である。
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