研究課題/領域番号 |
18K16658
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 清志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50645570)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 成長軟骨 / 再生 |
研究実績の概要 |
小児の成長軟骨帯損傷に対する現在の治療は損傷部位に脂肪や非吸収性の人工物を充填して骨製架橋を予防することである。しかし、現在の治療では損傷成長軟骨自体の再生は困難であり、治療成績も不十分である。そのため本研究では動物を用いた成長軟骨帯損傷に対する新規成長軟骨帯再生方法の開発を行っている。特に小児期に採取可能な軟骨組織として肋軟骨に注目して実験を行っている。 平成30年度においてウサギ下肢成長軟骨帯損傷モデルを用いて同種の肋軟骨から採取した肋軟骨・骨柱移植実験を行った。肋軟骨は成長期の同種ウサギから採取して骨軟骨移行部を含んだ肋軟骨・骨柱として採取して移植を行っている。比較群として移植なしや従来の治療方法とての骨蝋重点群、肋骨軟骨移植を設定して移植実験を行っている。観察期間としては4週、8週、12週として各時点での単純X線、μCTを用いた骨変形及び骨製架橋範囲を定量的に評価する。組織学的には各時点でのHE染色、サフラニンO染色を行い、特徴的な構造を有する成長軟骨帯の再生に関して評価する。術後4週、8週時点では移植した肋軟骨・骨柱は骨及び軟骨柱ともに生着しており、特に軟骨部分では軟骨基質を有した状態で損傷軟骨部に存在している。また損傷成長軟骨帯周囲には肥大軟骨様組織の再生を認め、コントロールに比較して変形の改善も認めている。術後8週時点では肋軟骨・骨柱移植群では他群に比較して有意に下肢変形改善を認めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画をおおむね達成している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度は計画通り成長軟骨帯損傷モデルへの肋軟骨柱移植実験を継続して行い、骨変形の改善や組織学的な成長軟骨帯の再生を評価する。またその結果を国内外を含めて学術集会などで発信していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験モデル作成のために必要な実験動物数が予定より少なく十分な結果を得られたため
|