研究課題
ミトコンドリアと他の細胞小器官との協調作用が研究者の注目を集めている。ミトコンドリア機能の制御システムとして、ミトコンドリア関連膜(MAM)などのミトコンドリアとオルガネラをつなぎとめるタンパク質に焦点が当てられている。がん細胞におけるミトコンドリアと小胞体(ER)間の相互物質移動を通じてミトコンドリアの活性と品質を制御する可能性のあるMAMタンパク質PDZD8に本年度も焦点を当てた。MKN74およびTMK-1ヒト胃癌細胞でPDZD8をノックダウンすると、Mitogreenによるミトコンドリア容積の増大、TMREによるミトコンドリア膜電位の亢進、および、DHR(過酸化水素)とMitoROS(スーパーオキサイド)によるミトコンドリアのROSの増加が認められ、これに伴い、顕著な増殖抑制と細胞死の誘導が認められた。これに対して、シーホース・フラックス解析を行うと、がん細胞の酸素消費率は低下し、酸化的リン酸化は抑制されていた。さらに、MitoFerroGreenによりミトコンドリア内の2価鉄を検討すると、PDZD8ノックダウンにより鉄の増加が認められた。これらのデータは、PDZD8がミトコンドリア鉄代謝に関連しており、ミトコンドリアにおけるROSの過剰活性化と過剰産生を抑制する役割を果たす可能性があることを示唆してる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
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