今後の研究の推進方策 |
術後4, 8, 12, 16週で、前脛骨筋の筋力、筋実質量、電気生理学試験で複合筋活動電位.(compound muscle action potential;CMAP)、足関節の可動域、腓骨神経の組織形態計測を行い、神経再生を評価する。また、術後早期である3, 7, 10, 14日で、自家神経内の軸索再生の評価を長軸像で免疫組織学的行う(成長円錐;GAP43、再髄鞘化部;Tuj1(緑))。血管内内皮細胞に対してCD31、CD34、SMα-actinで染色し、その局在を評価する。血管新生の評価はICG(Indocyanine green)を用いた近赤外線蛍光イメージング手法を用いてラットに尾静注したICGを赤外線カメラで撮像することでも行う。 ラットの細胞で得られた結果をもとに、ヒト間葉系幹細胞を用いて検証を進める。Lonza社(ロンザジャパン株式会社)から購入したヒト骨髄間葉系幹細胞(hBMSC: PT2501;CD105, CD166, CD29, CD44:陽性、CD13, CD34, CD45:陰性)を用いて効果を検証する。予備実験において、hBMSCでもラット同様に『BMSCシート』が作製できることは確認しており、微小血管外科手技の融合による自家神経との『ハイブリッド型自家神経』の実現の可能性が高い。免疫不全動物の坐骨神経欠損モデルを用いて、同様の実験を行いて臨床応用での手技の確立を目指す。
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