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2018 年度 実施状況報告書

経動脈的微細血管塞栓術における短時間溶解型ゼラチンの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K16673
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

生駒 顕  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60458065)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードイミペネムシラスタチン / 関節炎 / IVR
研究実績の概要

当初予定の実験施設(インスティチュート宮崎)で動物慢性実験ができなくなった。このため、株式会社アイビーテック 神戸ラボで実験を行うこととした。豚数頭に対して慢性実験を行うには、日程予約が必要であり、本実験の予約が2019年9月に開始となった。
このため、2018年度は、まず、講座研究費や奨学寄附金を使用して、豚1頭を用いて異常血管の出現を確認する実験を行うこととした。
株式会社アイビーテック神戸ラボにて予備実験(異常血管の生成が薬液投与後、何日を行った。SPF家畜豚(LWD系)雌1頭に対して、ケタミン5mg/kgおよびキシラジン10㎎/㎏の混合液を筋注し鎮静させ、気管チューブを挿管後、isoflurane 2~3%濃度、酸素流量2~4L/minで全身麻酔を行った。その後、関節腔を肢の屈曲により確認し、粉末状のパパインを生理食塩水に5%濃度で溶かした溶液3mLを左右膝関節の外側、膝蓋靭帯より約2指分外側の部分から垂直にアプローチし、23G針を使用して大腿骨遠位端関節腔内に注入した。注入後は肢の伸展を行い、関節部分への薬液を浸透させた。初回投与日をDay0とし、Day3、Day7、Day14、21、42、45に血管造影を行ったところ、day42に膝関節に異常血管の確認ができた。これにより、パパイン投与後42日後に異常血管の出現が確認されたため、この日を目安に塞栓術が施行できることが判明した。
当初の予定では、パパイン投与3日後に異常血管が出現すると考えていたが、異常血管出現のためには、時間がかかることが判明した。これらの結果を踏まえて、本実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初予定の実験施設(インスティチュート宮崎)で慢性実験が施行できなくなった。このため、株式会社アイビーテック 神戸ラボで実験を行うこととした。本実験の予約が2019年9月に開始となる。

今後の研究の推進方策

2019/9/27~2020/1/13に本実験を施行する予定。
具体的には、SPF家畜豚(LWD系)雌6頭に対して、全身麻酔を施行後、膝関節腔を肢の屈曲により確認し、粉末状のパパインを生理食塩水に10%濃度で溶かした溶液5mLを左右膝関節の外側、膝蓋靭帯より約2指分外側の部分から垂直にアプローチし、23G針を使用して大腿骨遠位端関節腔内に注入する。注入後は肢の伸展を行い、左右関節部分への薬液を浸透させる。パパイン溶液注入1回目をDay0とし、Day3,7,14,21にも同様の処置を施行する。Day0、3、7,14,21,42,45に、豚を全身麻酔にかけ、その後、血管造影を行う。血管造影を行う際、両側大腿動脈より4Frシースを逆行性に挿入し、それぞれ対側大腿動脈から腸骨動脈分基部を超え、4Fr造影カテーテルを挿入し、シースの隙間を通過させ、膝窩動脈レベルの血管造影を行う。その際、異常血管(異常濃染像)の有無を観察する。
Day42に異常血管をイミペネム・シラスタチンあるいはRMゼラチン(50kDa、120℃,24時間で熱架橋;in vitroでは数時間で溶解)で塞栓する。塞栓のendpointは異常血管が消失するまで、とする。パパイン投与による関節炎に伴う疼痛をできるだけ緩和させるため、メタカム(消炎鎮痛剤)を0.4mg/kg皮下注(1回/日)を行う。初回投与日から解剖日まで飼育管理を行い、症状観察を行う。異常を認めた際は、試験責任者に報告する。なお、day0~day45まで、以下の疼痛スコア表を毎日つける。Day45に血管造影を施行後、安楽死させる。膝関節周囲組織をホルマリン固定する。後日、病理標本作成を行い、炎症性変化や虚血性変化(浮腫、炎症性細胞浸潤有無、出血・壊死)を観察する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定の実験施設(インスティチュート宮崎)で動物慢性実験ができなくなった。このため、株式会社アイビーテック 神戸ラボで実験を行うこととした。豚数頭に対して慢性実験を行うには、大幅な日程予約が必要であり、本実験の予約が2019年9月に開始となった。このように本実験が次年度にずれ込んだために、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2019-12-27  

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