今後の研究の推進方策 |
2019/9/27~2020/1/13に本実験を施行する予定。 具体的には、SPF家畜豚(LWD系)雌6頭に対して、全身麻酔を施行後、膝関節腔を肢の屈曲により確認し、粉末状のパパインを生理食塩水に10%濃度で溶かした溶液5mLを左右膝関節の外側、膝蓋靭帯より約2指分外側の部分から垂直にアプローチし、23G針を使用して大腿骨遠位端関節腔内に注入する。注入後は肢の伸展を行い、左右関節部分への薬液を浸透させる。パパイン溶液注入1回目をDay0とし、Day3,7,14,21にも同様の処置を施行する。Day0、3、7,14,21,42,45に、豚を全身麻酔にかけ、その後、血管造影を行う。血管造影を行う際、両側大腿動脈より4Frシースを逆行性に挿入し、それぞれ対側大腿動脈から腸骨動脈分基部を超え、4Fr造影カテーテルを挿入し、シースの隙間を通過させ、膝窩動脈レベルの血管造影を行う。その際、異常血管(異常濃染像)の有無を観察する。 Day42に異常血管をイミペネム・シラスタチンあるいはRMゼラチン(50kDa、120℃,24時間で熱架橋;in vitroでは数時間で溶解)で塞栓する。塞栓のendpointは異常血管が消失するまで、とする。パパイン投与による関節炎に伴う疼痛をできるだけ緩和させるため、メタカム(消炎鎮痛剤)を0.4mg/kg皮下注(1回/日)を行う。初回投与日から解剖日まで飼育管理を行い、症状観察を行う。異常を認めた際は、試験責任者に報告する。なお、day0~day45まで、以下の疼痛スコア表を毎日つける。Day45に血管造影を施行後、安楽死させる。膝関節周囲組織をホルマリン固定する。後日、病理標本作成を行い、炎症性変化や虚血性変化(浮腫、炎症性細胞浸潤有無、出血・壊死)を観察する。
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