研究課題/領域番号 |
18K16673
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
生駒 顕 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60458065)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | TAE / TAME / IPM/CS / RMゼラチン |
研究実績の概要 |
①薬剤投与による関節炎モデルの作成を行い、②慢性炎症に起因する異常血管を異なる二つの塞栓物質で塞栓し、塞栓効果(再開通有無)や病理組織学的な虚血性変化の比較を行い、その有効性及び安全性を検討すること、の2点を本年度までに遂行する予定であった。しかし、②の病理所見の比較に関して現在進行中であり、本研究を1年延長することとした。これまでの経過を以下記載する。SPF家畜豚(LWD系)雌6頭の豚を使用。全身麻酔下で、両側膝関節に、パパインを投与し、OAモデルを作成した。パパイン溶液注入1回目をDay0とし、Day3、7、14、21にも同様の処置を施行した。Day0、3、7、14、21、42、45に全身麻酔後、血管造影を行った。Day42に異常血管を確認し、IPM/CSあるいはRM-Gelatinで塞栓した。塞栓のendpointは異常血管が消失するまで、とした。Day45に血管造影を施行後、安楽死させた。その後、膝関節周囲組織をホルマリン固定した。現在、病理標本作成を行い、炎症性変化や虚血性変化(浮腫、炎症性細胞浸潤有無、出血・壊死)を観察中である。 なお、出現した異常血管をIPM/CSで塞栓した群(IPM/CS群:n=6)と溶解型ゼラチンで塞栓した群(RM群:n=6)で比較した。 血管造影所見にて、異常血管はIPM/CS群では4例/6例、RM群では、6例/6例で出現した。A-V shuntはIPM/CS群では2例/6例、RM群では、4例/6例で出現した。異常血管は、IPM/CS群、RM群ともに、全例、膝蓋骨周囲で認められた。異常血管の消失は、TAE後、全例で確認できた。3日後の血管造影では異常血管の再開通は全例で認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度までに研究成果を報告する予定であったが、組織の切り出しや病理標本作成に時間をようしたため、病理組織比較検討が現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
慢性炎症に起因する異常血管塞栓後の病理組織学的な虚血性変化の比較を行い、その有効性及び安全性を検討する方針である。
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