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2020 年度 実施状況報告書

糖鎖関連バイオマーカーによる去勢抵抗性獲得予測および治療効果予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16681
研究機関弘前大学

研究代表者

石橋 祐介  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (80792316)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードリキッドバイオプシー / 前立腺癌 / 糖転移酵素
研究実績の概要

ホルモン感受性前立腺癌(HSPC)の治療においてアンドロゲン遮断療法(ADT)が有効であるが、ADT抵抗性を示し、HSPCから去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)へと移行する患者の予後は不良である。PSAによる前立腺癌のスクリーニングにより、早期の前立腺癌が発見され、治療の対象になっている現状では、前立腺癌をコントロールする上でHSPCの治療効果やCRPCを予測し、早期に適切な治療介入を行うことは重要であるが、去勢抵抗性獲得を予測し、治療方針決定に有用な情報を与える予測マーカーは存在しない。本研究では、HSPC患者の血清N型糖鎖の網羅的解析から同定されたCRPC予測糖鎖マーカーをより簡便な血清検査あるいは、Liquid biopsyによる定量法に関する開発応用について検討する。平成30年度は、レクチンアレイによる前立腺癌患者の血漿からの低分岐糖鎖修飾イムノグロブリンの定量検出法の確立を試みた。また前立腺癌患者の全血から分離したcfDNA中の糖転移酵素のddPCRによる発現量検出法の確立を試みたその結果、レクチンアレイでの低分岐イムノグロブリンの検出およびddPCRによる糖転移酵素の発現検出が困難であり、確立には至らなかった。令和元年度は、GlyQキャピラリー電気泳動迅速糖鎖解析装置によるイムノグロブリン糖鎖解析法を実施し、前立腺癌患者の血漿から、26種類の低分岐糖鎖修飾イムノグロブリンを定量検出できることを確認した。令和2年度は、GlyQキャピラリー電気泳動迅速糖鎖解析装置によるイムノグロブリン糖鎖解析法を実施し、限局性前立腺癌患者、HSPCおよびCRPC患者の血漿から、26種類のイムノグロブリン糖鎖プロファイルを得た。現在、測定データを解析し、CRPC予測に関する糖鎖プロファイルを抽出中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定であった、レクチンアレイおよびcfDNAによる低分岐糖鎖修飾イムノグロブリンの定量検出法の確立を試みたが、感度が低く、目的物質の検出が困難であることが明らかとなったため、GlyQキャピラリー電気泳動迅速糖鎖解析装置によるイムノグロブリン糖鎖の直接定量解析法に変更し、前立腺癌患者の血漿から、26種類の低分岐糖鎖修飾イムノグロブリンを定量検出できることを確認したことから、当初の目的としていたレクチンアレイによる検出法よりもより、正確な定量検出法の確立の目処がたち、本年度に各患者群のイムノグロブリン糖鎖プロファイルの解析が完了した。残すは、CRPCを予測する糖鎖プロファイルの抽出解析であり、概ね順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、判別分析などの統計解析手法およびAIによるCRPC予測に特徴的な糖鎖プロファイルの抽出を進め、精度の高いCRPC予測糖鎖バイオマーカーの開発をすすめる。

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公開日: 2021-12-27  

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