研究課題/領域番号 |
18K16688
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
品川 友親 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特別研究員 (00610453)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 微小乳頭型膀胱癌 / 糖鎖発現解析 |
研究実績の概要 |
微小乳頭型膀胱癌は尿路上皮癌のバリアントであり、高い浸潤、転移能のため生命予後が著しく不良である。進行期にはゲムシタビン+シスプラチン療法などの抗癌剤を用いた治療が行われるものの、conventionalな尿路上皮癌や他のバリアントに比べ予後は明らかに不良である。その背景にmucin-1(MUC1)の関与が示唆されている。この数年で他の癌腫では免疫チェックポイント阻害薬の使用が可能になり、膀胱癌に対しても抗PD-1モノクローナル抗体であるペンブロリズマブが使用可能になった。膀胱癌進行との関連が示唆されるMUC1の発現、新規治療対象として注目されるPD1関連遺伝子の間にどのような関連性があるのかを検討している。 本研究では、まず膀胱癌の手術標本を用い、MUC1の発現解析を行っている。その結果としてMUC1の発現は、膀胱癌患者の病期、とくにリンパ節転移や周囲浸潤性と関連があることが示唆された。MUC1とともにsLeXの免疫染色を行い、その発現解析を行っている。発現部位の局在によって進行性に違いがあるようで、上皮間葉転換などとの関連性があるかどうかなどが検討課題であると考えられる。microRNAとの関連性検討も予定しているが、下記に述べるように新規の症例が非常に少ない癌腫であり、まだ解析には至っていない。PD1関連の治療は癌腫横断的に行われるようになっており、本研究の微小乳頭型膀胱癌のみならず、他の泌尿器癌での検討も行いたいところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
微小乳頭型のバリアントを有する膀胱癌患者自体が少なく、十分な検討に値する症例数に達していない。 microRNAとの関連性については上記に述べた通り、解析には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
膀胱癌のバリアントに関わらず検討する必要性。同様の検討は他の癌腫でも可能である。膀胱に特化せず、他の泌尿器癌(腎癌や前立腺癌など)で検討可能か試みる。microRNAとの関連性については、上記の通りまだ解析には至っておらず、本年度の課題である。ただ、膀胱癌以外でのmicroRNA解析を進めており、本研究にも応用していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
微小乳頭型膀胱癌の新規症例数が少なく、新規に免疫染色や遺伝子発現解析を行う絶対数が少なかった。そのため、事前に予定していた使用額よりも少なくなった。一旦次年度に繰り越しさせていただいた上で、新規検討に備える予定である。
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