腎虚血再灌流障害は腎移植の成績に重大な影響を与える合併症である。近年、水素の抗酸化作用が注目され、虚血再灌流障害の軽減に有効と報告があるが、ガス吸入による腎保護作用は不明である。ヘリウムに関しても虚血再灌流障害での保護作用は同じく不明であり、今回各々のガス吸入による腎保護作用を検討した。 マウス腎虚血再灌流障害モデルを作成し、各群の腎障害の程度を検討したが、水素ガス、ヘリウムガス吸入による明確な腎保護作用は確認できなかった。虚血再灌流障害は、体温や虚血時間が重要であり、それらの条件を変えて行ったが同様であった。今後は、ガスの組成濃度を変えた検討が必要である。
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