先天性腎尿路異常CAKUTは小児慢性腎臓病の6割を占める。CAKUTの原因として約20の遺伝子異常が知られているが、患者の10%未満にしかみられるず、90%は原因が不明である。今回重症のCAKUTを多く認めた日本人2家系を対象に、エクソーム解析とジェノタイピング解析を用いてパラメトリック連鎖解析を行い、日本人の新規遺伝子異常を探求する研究を行った。結果、エクソーム解析では病的変異はなく、2家系について遺伝継承様式(優性モデル、相加モデル、劣性モデル)に基づくパラメトリック解析を行ったが、明らかな原因は発見できなかった。今後エピジェネティック機構の異常も踏まえて検討すべき疾患と考えられた。
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