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2018 年度 実施状況報告書

男性不妊症における体細胞異常の解明と次世代に伝播しない新たな遺伝子治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K16706
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

野崎 哲史  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (50813432)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードSetoli細胞 / Leydig細胞
研究実績の概要

平成30年度は、当初の研究計画に基づき精巣組織からのSertoli細胞とLeydig細胞の分離方法の確立を試みた。
思春期後の精巣の状態を評価するため、8週齢のC57BL/6Jマウスを対象とした。精巣を摘出し、酵素処理により細胞を分離した。分離した細胞を5% Percoll溶液に静置し、上層と下層に分けた。上層の細胞を超遠心し、回収したものをLeydig分画とした。また下層の細胞を培養し、DSA (チョウセンアサガオ)lectinに接着したものをSertoli分画とした。Sertoli細胞マーカー(SOX9)およびLeydig細胞マーカー(STAR)を用いた蛍光免疫染色により、各分画における陽性細胞率を算出し、分離前と比較した。また、定量PCRでSertoli細胞に特異的な遺伝子(Sox9、Wt1、Rhox5)、Leydig細胞に特異的な遺伝子(Star、3b-HSD、Calb2、Lhr)の発現量を比較した。
Star陽性率(Star陽性細胞数/全細胞数)は、Percoll分離前、Leydig分画、Sertoli分画でそれぞれ2.9%、57.6%、2.3%であり、Leydig分画で高かった。SOX9陽性率(SOX9陽性細胞数/全細胞数)は、それぞれ10.5%、7.7%、15.6%であった。また定量PCRでは、Star、3b-HSDの発現量がLeydig分画で有意に高かった。Calb2、Lhr、Sox9、Wt1、Rhox5の発現量に有意差はなかった。
DSA lectin とPercollを用いた本方法では、Sertoli細胞の分離は困難であったが、Leydig細胞を効率よく分離できることが明らかとなった。Sertoli細胞はtight junctionで強固に接着していることが、分離を困難にした原因と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり精巣の体細胞分離の方法を、Leydig細胞に関しては確立している。Sertoli細胞に関しても検討がすすんでいる。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、各種の病態に応じた男性不妊症モデル動物の作成にとりかかる。具体的には、LH-RHアナログを投与しアンドロゲンを去勢レベルとしたホルモン異常モデル、ブスルファン40mg/kgを投与した精細胞異常モデル、外科的に停留精巣を作成した後天的不妊モデル、の3種類の作成を予定している。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が無いため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Isolation of testicular somatic cells using DSA lectin and Percoll2018

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Nozaki, Shoichiro Iwatsuki, Tomoki Takeda, Hiroki Kubota, Hiroyuki Kamiya, Shoichi Sasaki, Yukihiro Umemoto, Takahiro Yasui
    • 学会等名
      第106回 日本泌尿器科学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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