研究課題/領域番号 |
18K16715
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 將人 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50513389)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CCR4 / 前立腺癌 / 制御性T細胞 / 免疫チェックポイント分子 |
研究実績の概要 |
まず、前立腺組織内のCCR4陽性制御性T細胞の浸潤の評価について前立腺全摘標本を用い、改めて確認を行った。全摘標本についての評価では、前立腺組織内におけるCCR4陽性制御性T細胞の局在は、腫瘍自体の内部にはほとんど存在せず、腫瘍の周辺領域に局所的に浸潤している、という評価であった。これについて、数カ所のSPOT内の細胞数をカウントして、様々な要素と比較したが、Greason scoreとの、あまり強固でない関連性を認めたものの、腫瘍の局在が局所的で有り、SPOTごとの細胞数のばらつきが多く、その他の臨床的なバイオマーカーや予後と関連して評価することは困難であった(これについては前立腺全摘を受けるような患者がそもそも予後良好な集団であることも関連していると思われる)。このことから、あらためて前立腺生検標本で細胞数を評価することについては一定の有用性があるのではないかと考えられた。 そのような流れから、前立腺生検を行った後に内分泌療法を行っている患者の生検時の検体を用いて免疫組織学的染色を行い、その組織内における細胞数と、臨床的バイオマーカー(PSA, Greason score, 臨床病期など)との関連を確認したり、細胞数と予後(全生存期間、無増悪生存期間)についての検討を行ったりした。 これに関しては、現在論文にまとめ、投稿済みであるが諸所の内容についてreviseを要しており、これらについての対応策を協議、実行しているというのが、現状における研究実績である。論文化を予定しているため、具体的な数値などについては省略した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前立腺全摘標本および、前立腺生検標本に対する免疫組織学的染色の施行とその評価については概ね順調に進行しており、まずはこれについて一旦の論文化を予定しており、それについて優先して先に進めていく計画としている。そのため、動物実験の施行を目的としたマウス皮下腫瘍モデルの確立などに関しては、現時点であまり着手しておらず、研究の進行としてはやや遅れていると言わざるを得ない。しかしながら、論文の作成については比較的順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、現状の前立腺全摘標本及び前立腺生検標本に対する免疫組織学的染色と臨床的なバイオマーカーや予後との関連についての検討についての論文の作成について先に進めていくが、それと並行して、前立腺癌細胞株の扱いや、どの株を用いるか、などについての検討を進めるほか、マウス皮下腫瘍モデルの確立を目的としたNOGマウスに関しての情報収集や、扱いについての検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回は本研究施設内の既に用意されている薬剤を用いて研究を行ったため、物品費について予想を下回る使用額であったことが要因であると考えます。
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