研究課題/領域番号 |
18K16717
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
三上 穣太郎 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (10792319)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | リキッドバイオプシー / 前立腺癌 / 糖転移酵素 |
研究実績の概要 |
前立腺癌検診の普及により早期前立腺癌が発見される件数が急増しているが、治療法の選択基準は明確になっていない。その理由は悪性度や治療後の再発率あるいは治療効果を正確に反映するバイオマーカーが存在しないからである。私たちは前立腺癌の発癌、悪性化、去勢抵抗性獲得を反映する前立腺癌細胞表面の糖鎖構造やその合成に関わる糖転移酵素など、前立腺癌診断、悪性度評価に有用な糖鎖性分子を同定してきた。本研究では、Cell free DNA (cfDNA)やCirculating tumor Cell (CTC)におけるGCNT2糖転移酵素や糖鎖構造を定量検出する新規Liquid biopsy 法の確立とその手法が前立腺癌の悪性度評価あるいは治療効果のサロゲートマーカーとなり得るか検証する。平成30年度は、健常人あるいは、種々の前立腺癌患者の末梢血検体からcfDNA を抽出し、droplet digital PCR により、I 抗原O-glycan の合成に関連するGCNT2 糖転移酵素の発現を検出可能かどうか検証した。共焦点イメージサイトメーターでのCTC検出は困難であり、その確立には至らなかった。一方cfDNA中のGCNT2糖転移酵素遺伝子の発現は検出可能であることを確認した。令和元年度は、cfDNA中のGCNT2糖転移酵素遺伝子の発現を臨床検体で検討するため、前立腺癌患者の定期採血検体からcfDNA を分離し、cfDNA 中の糖転移酵素コピー数、cfDNA濃度、cfDNA長をモニタリングし、薬剤による治療効果、PSA 値の推移、去勢抵抗性獲得との関連を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H31年度の研究実施予定であった Liquid biopsyの手法を用いて以下の前立腺癌患者のcfDNA中のGCNT2糖転移酵素コピー数をモニタリングし、前立腺癌の悪性度、再発予測に有用かどうかの検証について、前立腺癌患者の定期採血検体からcfDNA を分離し、cfDNA 中の糖転移酵素コピー数のモニタリングと薬剤による治療効果、去勢抵抗性獲得との関連についてdroplet digital PCR、GCNT2糖転移酵素の発現モニタリングを予定通り実施したことから、概ね、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
概ね、計画通りに進展しているため、臨床検体でのcfDNA中の糖転移酵素モニタリングを継続し、治療経過と糖転移酵素発現の関連についてさらに検討をすすめる
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