研究課題
若手研究
前立腺癌におけるアンドロゲン受容体 (AR) を軸としたエンハンサー活性化による遺伝子発現制御機構から、発癌に寄与するエピゲノム制御共因子としてBRD4が重要な役割を担うことを同定した。去勢抵抗性獲得においてはAR非依存的な異常エンハンサー活性化機構が深く関与していることを同定し、この異常活性化をエピジェネティックに制御する治療戦略としてヒストンメチル化酵素DOT1Lの阻害が有用である可能性を示した。
泌尿器悪性腫瘍
前立腺癌の発癌ならびに去勢抵抗性獲得の分子機構について、エピゲノムの観点から解析を行なった。近年ゲノム解析手法の発達によりゲノムを主軸においた研究が盛んである一方、エピゲノムを主軸に置いた研究は不十分であり、我々の研究によりエピゲノムの観点から新規知見が得られた点で学術的意義が高いと考えられる。また、エピジェネティック阻害による治療戦略の可能性を示した点では、社会的に克服すべき治療抵抗性病態である去勢抵抗性前立腺癌に対する臨床応用へと繋がる、大きな社会的意義を有していると考える。