本研究では光制御可能なNOドナーを用いて勃起不全(ED)治療への応用を検討した。研究期間中に新たに組織透過性が高い赤色光(630-690 nm)応答性NOドナー「NORD-1」の開発に成功した。in vitroおよびin vivo試験から、NORD-1と光照射により陰茎海綿体の弛緩制御および勃起反応の増強が可能であることを見出した。PDE5阻害薬難治性として知られる神経性EDモデルを用いて、NORD-1と光照射の有効性を明らかにした。また用いた波長の光は厚さ1㎝の肉片でも光を透過することを確認した。これらの成果から、光制御可能なNOドナーは新たなED治療法として有用である可能性が示唆された。
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