研究課題/領域番号 |
18K16744
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井口 孝司 和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (30725578)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ApoE / メタボリック症候群 / 尿路結石 / 結石モデルマウス |
研究実績の概要 |
メタボリック症候群(MetS)と尿路結石症の関係性は深いが、MetSの病態一つ一つとの関連については基礎研究が乏しい。そこで我々は、MetSの代表的な病態であり臨床研究でも多くの報告を認める脂質異常症と尿路結石症の関係を 分子細胞生物学的観点から研究することを考えた。本研究では、脂質異常モデルルマウス(ApoE遺伝子欠損(ApoEKO)マウス)を用いて尿路結石モデルマウスを作成 することにより、脂質異常が引き起こす腎糸球体の末梢血管障害が惹起する炎症と尿路結石形成の関係を解明する。まずは、8週齢の野生型マウス(C57BL/6J)を用いてシュウ酸前駆物質である Glyoxylate 80mg/kgを6日間連続投与することで、尿路結石の形成を確認し結石量を面積にて測定。これと平行して8週齢のApoEKOマウスにも同様に Glyoxylate 80mg/kg を6日間連続投与行い、野生型マウスとの結石生成率の検討を 行ったところ、両群の結石生成率に差はないという結果であった。これを受けて、Glyoxylateの投与量を60mg/kg、100mg/kgに変更して投与したが、共に結石生成率に差は認められなかった。このことから8週齢では野生型マウスとApoEKOマウスに大差がないことが確認された。 続いて12週齢、24週齢の野生型マウスに対してGlyoxylate 80mg/kgを投与し、結石が生成を確認した。すなわち、結石モデルマウスとして使用できることが分かったため、12週齢、24週齢のApoEKOマウスを用いて同様にGlyoxylate 80mg/kgを投与し、結石生成量が野生型と差が出るかどうか検討行った。しかし、12週齢、24週齢の野生型マウスとApoEKOマウスにおいて結石生成量に差がでなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 現在、結石モデルマウスとして確立されているのは8週齢の雄マウスであるが、8週齢のマウスでは野生型とApoEKO型とで結石生成率に差を認めなかった。そこ で、12週齢、24週齢の野生型マウスを用いて結石モデルマウスの再現性を確認したところ、再現性は確認された。しかし、12週齢、24週齢の野生型マウスと ApoEKOマウスにおいても結石生成率に差を認めなかった。 今後、投与量による検証やさらには高脂肪食負荷などによる差が生まれるかどうかも検証が必要である。 以上のことから、進歩状況としては遅れている状況と思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
Glyoxylate 80mg/kg を投与しているが、ApoEKOマウスでは結石生成量が増加すると予想しているため、40mg/kgや60mg/kgと投与量を減量して検討行う。 また、現在普通食としているが、高脂肪食に変更するなどの修正を加える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
使用マウスや試薬の数が予定よりも少なかったため。 使用するはずであったマウスや試薬の購入などに使用する。
|