研究課題/領域番号 |
18K16751
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
清水 信貴 近畿大学, 医学部, 講師 (10368326)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 排尿筋過活動 / ウイルスベクター / TRPV1 |
研究実績の概要 |
昨年に引き続き、脊髄損傷マウス(SCI)の下部尿路機能障害に対する新規ウイルスベクターを用いた治療薬の開発を目的として実験を継続している。本研究はSCIを下部尿路機能障害モデル動物として使用し、下部尿路機能障害に関連する分子マーカーを同定した上で新規ウイルスベクターを用いて治療法として有用性があるかを検討することが目的である。 2018年度に膀胱求心路の後根神経根 (Dorsal Root Ganglion; DRG)の局所的遺伝子発現量の解析を行った結果、SCIでTRPV1の発現が亢進していることを報告した。(shimizu N et al, Neurosci Lett. 2018 Sep 14;683:100-103.)。次にTRPV1の活性を抑える複製欠損ヘルペスウイルスベクター(poreless TRPV1 とprotein phosphatase 1α (PP1α))をSCIマウスの膀胱壁に注入し、膀胱内圧測定をした結果、脊髄損傷後の排尿筋過活動を抑制した。一方、病理学的検討でウイルスベクターがDRGに到達していることも確認した。(ICS (Gothenburg) 2019年9月4日) 引き続き分子生物学的手法を用いて検討を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TRPV1の活性を抑える複製欠損ヘルペスウイルスベクターが排尿筋過活動を抑制することを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
膀胱でのTRPV1やERKのリン酸化等の検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね順調であるが、次年度に行う実験で使用予定となっている物品が高額であるため誤差が生じた。
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