妊娠高血圧症を合併した周産期心筋症患者及び健常産褥婦由来の血液検体中のsmall RNAをマイクロアレイにより網羅的に解析した。患者群ではmiR-320a/bの発現が特異的に亢進していた。miR-320a/bの標的遺伝子として、EIF2aK3(PERK)を特定した。次に、心筋特異的PERKノックアウトマウスに妊娠・出産を繰り返させたところ、周産期心筋症に類似した病態を示した。RNA-sequencing及びパスウエイ解析にてPERKは、心保護的に作用する様々な分子シグナリングを制御することが分かった。 以上より、miR-320a/bは診断的バイオマーカー及び治療標的として有望であると考えられた。
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