研究課題/領域番号 |
18K16758
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮下 真理子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90612862)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子宮内膜症 / ビタミンD / サプリメント / マクロファージ |
研究実績の概要 |
ビタミンDサプリメントの子宮内膜患者の症状・病巣に対する効果の検討について 東京大学医学部附属病院に通院している子宮内膜症患者を対象として同意のもと研究を行った。薬物治療中の患者も含むが、治療開始から3か月以上経過していることを条件とした。同意を得られた患者にビタミンD錠(ビタミンD3、1000IU/錠)を無償で提供し、1日1錠を連日内服させた。投与前に血清25(OH)D値・CA125などの腫瘍マーカー値・カルシウム値などを測定した。ビタミンDは日光により皮膚で合成され、食事から摂取もされ体内に貯蔵されるため、ライフスタイルや食生活によって貯蔵されるビタミンD量は変動する。そのため食事内容・サプリメント摂取の有無・日中の外出時間等を詳細に聴取し、日々の生活から貯蔵されるビタミンD量を把握する。食事内容についてはBDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票:brief-type self-administered diet history questionnaire)を用いて調査した。子宮内膜症の症状として、月経困難症・慢性骨盤痛・排便痛・性交痛の程度を、VAS (Visual Analogue Scale) を用いて、鎮痛薬の使用回数とともに問診した。子宮内膜症の病巣は、経腟超音波断層法とMRIを用いて大きさを測定した。
研究参加に同意を得た患者から順次開始し、全例が1年間のビタミンD錠の内服を終えた時点で解析を行う予定である。 また、子宮内膜症患者の血清25(OH)D値と比較検討するために、30名の健常女性から同意を得て、採血検査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビタミンDサプリメントの子宮内膜患者の症状・病巣に対する効果の検討については、現在実行中である。一部の患者は1年間のビタミンD錠内服を終えている。予定患者数に満たない可能性もあるが、十分に検討できるものと思われる。 ビタミンDの腹腔内マクロファージに対する効果の検討については、まだ開始していない。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンDサプリメントの子宮内膜患者の症状・病巣に対する効果の検討については、今年度中に全例がビタミンD錠の内服を終了するため、症状、病巣の変化などについて検討する。子宮内膜症患者の血清ビタミンD値を健常者と比較する。また血清ビタミンD値に対する内服の効果についても検討する。ビタミンDの食事摂取量と血清レベルに関して検討する。 ビタミンDの腹腔内マクロファージに対する効果の検討については、マクロファージをビタミンD存在下で培養する。各種炎症性サイトカインにつき、mRNA発現を定量的real-time PCR (RT-PCR) 法で測定し、培養上清中のタンパク濃度を特異的ELISA法を用いて測定する。上清のプロスタグランジンならびにその代謝物についても特異的ELISA法にて測定する。またマクロファージの亜分類(M1, M2マクロファージなど)を、特異的細胞表面マーカーで染色しフローサイトメトリー法を用いて行う。これらのデータを患者の背景ならびにビタミンDの添加の有無で比較し、ビタミンDの効果を検討する。
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