卵巣成熟嚢胞性奇形腫悪性転化症例に対して、統合オミックス解析を行い、大規模データベースと比較することで、本疾患における分子生物学的特徴を明らかにした。 特に重要な点として、卵巣成熟嚢胞性奇形腫から発生した扁平上皮癌の遺伝子発現プロファイルが肺から発生した扁平上皮癌と類似していること、また細胞障害性T細胞の活性化の過程で重要な役割を持つXCL1が本疾患で特徴的に高発現していることを明らかにした。さらに腫瘍XCL1発現が免疫チェックポイント阻害薬の奏効を予測する有力なバイオマーカーであるCD8陽性リンパ球の腫瘍浸潤および腫瘍PD-L1発現と相関があることを見出した。
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