研究課題/領域番号 |
18K16766
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
内海 史 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10749261)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子宮頸癌 / ストレス顆粒 / UBAP2L / EMT |
研究実績の概要 |
本研究ではまず、種々の細胞ストレスが細胞内ストレス顆粒形成およびUBAP2L発現に影響を及ぼすかの検討を行った。子宮頸がん細胞株であるCaskiおよびSiHaを用いて、細胞株に対して通常酸素下(20%)と比較し低酸素環境下(5%、1%)による刺激、抗がん剤刺激を加えストレス顆粒形成およびUBAP2L発現をウェスタンブロット法にて検証したところ、発現上昇は認めなかった。また、UBAP2Lの局在を検討したところ、ヒ素刺激と比較して明らかな局在変化は認められなかった。 続いて、ストレス顆粒形成およびUBAP2L発現がEMT促進や薬剤、放射線耐性に与える影響を検証する為に、CaskiおよびSiHaの2種類の細胞株でsiRNAを用いてUBAP2Lのknockdownを行い影響を検証したところ、有意な増殖能の抑制がみられた。また、G2/Marrest が原因と考えられた。しかしUBAP2LのEMT促進については、遊走能、浸潤脳に明らかな変化は見られず、EMT関連タンパクの発現変化も見られないということが判明した。 また、臨床検体を用いた解析もさらに詳細に行った。子宮頚部扁平上皮癌、pT1b1-2bの患者の初回手術検体組織を用いて、UBAP2Lの発現を調べた。UBAP2Lの発現の違いで予後への影響が確認できた。またTCGAデータベースを用いた検討でも関連性が認められ、UBAP2Lが予後因子になりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の移動に伴って研究の進捗がやや遅れている。名古屋大学との連携を図り研究を遂行していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き名古屋大学との連携を図り、細胞ストレスとUBAP2L発現が子宮頸癌の転移形成維持に及ぼす影響を解析する。得られたデータをもとに,臨床病理学的事項との関連の解析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の移動に伴って少額残存した。次年度消耗品費として使用予定である。
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