研究課題/領域番号 |
18K16770
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
味村 和哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50437422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / 補体 / ヒト臍帯血管内皮細胞 / 予知・予後予測マーカー |
研究実績の概要 |
我々は、ヒト検体で補体活性がPreeclampsiaの病態に関与しているか調べるとともに、これまで開発してきたヒト臍帯血管内皮細胞を用いたPreeclampsia母体血管内皮モデルを生かして、sFlt-1が血管内皮障害を起こす新たなメカニズムを解明、新たなPreeclampsiaモデルを確立する。また、既存薬ライブラリーをそのモデルに添加することで、補体抑制作用を介して血管内皮障害を改善することができる、妊娠中に使用可能な新規薬剤を網羅的にスクリーニングすることを目的としている。初年度はin vivo における検討として、補体がPreeclampsiaの予知・予後予測マーカーになり得るかの検討を行った。血清および尿中おける補体マーカーの検索を行い、Preeclampsia発症について、補体の短期予後予測性能を評価することを目的とした。産科婦人科外来において妊婦健診を行っている妊婦を対象として、Preeclampsia発症のリスクが高い患者を対象とし、補体活性とPreeclampsia発症状況の相関を検証した。新規の高血圧・蛋白尿を認める妊婦における血清および尿を経時的に集積した。また、Preeclampsia発症時にも収集した。血液は血清分離用採血管に収集、尿はクリーンキャッチもしくはフォーリーカテーテルで収集したものを用いた。検体は‐4℃で遠心分離したのちすぐに‐80℃で保存した。補体活性はC3a/C3a desArg (C3a)、C5a/C5a desArg (C5a)、C5b-9をELISA法(BD Biosciences)にて測定した。また、同じく血清および尿中のsFlt1やPlGF濃度をELISA法(R&D Systems)で測定し、補体活性との相関性を調べている。補体活性がPreeclampsiaの早期発見のマーカーになりえるのかを検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの集積中であり、今後検討を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
補体活性と母児の予後についても比較検討を追加していく。血圧や24時間蛋白尿、その他の生化学検査(肝機能、腎機能)、子癇、肺水腫、常位胎盤早期剥離といった妊娠合併症についてのデータは診療録から抽出する。
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