研究課題
本研究はケモカインネットワークに着目し、早産におけるケモカインシステムの関連を解明しようとしている。まず最初にLPS腹腔内投与によるマウス早産モデルを確立した。早産モデルを用いてCX3CR1欠損マウスと野生型マウスで早産率を比較するとCX3CR1欠損マウスで有意に早産率が低くなることが分かった。そのメカニズムを解明するため、羊水や胎盤などの妊娠組織を解析したところ、CX3CR1欠損マウスで子宮へのマクロファージの遊走が抑制されており、炎症性サイトカインの産生も抑制されていた。また早産妊婦に血清中ではCX3CL1が有意に上昇しており、その結果を踏まえ、野生型マウスに抗CX3CL1抗体を投与すると早産が抑制されることも同定できた。現在、所有している他のケモカイン・ケモカインレセプター欠損マウスを用いて、野生型との早産率の比較を行っている。早産への関与が考えらえるケモカイン及びケモカインレセプターが同定されれば、Real time(RT)-PCR法、免疫組織学染色、ELISA法及びフロ-サイトメトリー法を用いてサンプルを解析する予定である。
3: やや遅れている
他のケモカイン・ケモカインレセプター欠損マウスでの野生型との早産率の比較を行っているが、有意差に至らず、サンプリングまで至らない。羊水や頸管粘液などのヒトのサンプリングは終了している。
早産におけるCX3CL1-CX3CR1システムの関与についてさらに解明を深めるため羊水や頸管粘液などのヒトサンプルの解析を進める。マウス実験においては所有しているケモカイン・ケモカインレセプター欠損マウスで野生型との早産率の差を比較中であり、有意差がでればサンプリングし解析を進める予定としている。
来年度はヒトサンプルの解析を行うため、ELIZAキットの購入に充てる充当する。
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