スタチンの抗腫瘍効果における多面的効果がメバロン酸経路以外の作用経路からも誘導されることを明らかにすることができた。加えて、スタチンががん細胞に特徴的なワールブルグ効果を酸化的リン酸化に誘導しうるのかという学術的問いに対して制御機構の一端を明らかとすることができた。また、Histoculture Drug Response Assay(HDRA)の系を樹立できたことで、ヒト卵巣癌検体にスタチンが奏効するかを明らかとすることができる。さらに、HDRAにおける増殖抑制率の結果から、奏効症例と非奏効症例に分類し、両群間の臨床病理学的背景を比較検討し有意に差のある因子を抽出することに繋げられる。
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