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2019 年度 実施状況報告書

加齢卵克服のための新たな戦略:小胞体ストレス制御の生殖補助医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K16790
研究機関山形大学

研究代表者

竹原 功  山形大学, 医学部, 客員研究員 (80642496)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード小胞体ストレス / 加齢卵 / 胚発育 / 死細胞率
研究実績の概要

本研究では、加齢マウスモデルを用いて加齢による卵の質の低下への小胞体ストレスの関与を明らかにすること、小胞体ストレス制御薬によって加齢卵の胚発育が改善するかどうかを検討する。さらに得られた胚をマウスに胚移植することにより妊娠の治療効果が改善するかを検討する。最終的には小胞体ストレス制御が生殖補助医療に臨床応用可能かを検討する。
小胞体ストレスが卵の質の低下に関与しているかについて、小胞体ストレスマーカーであるGRP78を用いて検討した。加齢卵、小胞体ストレス誘導卵でいずれもGRP78の発現がコントロールに比較して上昇していた。また胚盤胞まで培養するといずれも胚盤胞到達率が低下し、死細胞率が上昇していることがわかった。
一方、小胞体ストレス制御薬であるsalubrinalを加齢卵に添加した検討では、胚発育が改善した。さらに上述のGRP78の発現はコントロールに比較して減弱し、胚盤胞まで培養すると胚盤胞到達率が上昇し死細胞率が減少した。
salubrinalを加齢卵に添加して得られた胚盤胞をマウスに胚移植したところ、生児をえた。この際、とくに奇形などは生じなかった。コントロールと比較すると妊娠率は上昇したが、現在のところ生産率にまでは上昇傾向はあるものの有意な差は得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的である、小胞体ストレスと卵の質の低下の関連、小胞体ストレス制御による胚発育改善効果の検討、マウスを用いた治療効果の検討のうち、前2者に関しては期待していた結果を得ることができ、信頼性のあるデータとして結果がそろった。マウスを用いた治療効果の検討についても安定した手技を確立することができたため検討をすすめることができた。現時点でおおむね期待されていた結果を得られており、さらに検討を重ねてデータを積み重ねる段階である。

今後の研究の推進方策

マウスへの胚盤胞移植の検討をさらにすすめ、小胞体ストレス制御薬投与により生産率に影響がでるかを引き続き検討をすすめる。これまでの実験のペースから十分可能と考えられる。

次年度使用額が生じた理由

今年度の研究では、マウスへの胚移植をおこなうにあたり胚移植の技術料を委託する予定であったが、研究者が手技を確立できたため委託金が発生することなく実験をすすめることができた。
次年度はさらにマウスへの胚移植の検討をすすめるため、準備マウスや試薬などが必要となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The regulation of ER stress improved the development of aged oocyte2019

    • 著者名/発表者名
      Isao Takehara
    • 学会等名
      第75回米国生殖医学会議
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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