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2019 年度 実績報告書

感染によるAPOBEC発現を介した遺伝子変異誘導とCIN進行機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16792
研究機関金沢大学

研究代表者

飯塚 崇  金沢大学, 医学系, 助教 (90748617)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード子宮頚部異形成 / APOBEC / 高頻度突然変異 / 性感染症 / トル様受容体
研究実績の概要

本研究は、子宮頸部異形成におけるAPOBEC3の発現に注目し、APOBEC3の発現によるCINの進行促進およびAPOBEC3発現とヒトパピローマウイルス(HPV)を含む子宮頸部感染との関連性を明らかにするとともに、その関連分子を同定して新たなCIN進行の予防法や診断法および治療法の開発を目指すことを目的とした。
APOBEC3がウイルス感染や炎症により変化するのかを、ヒトケラチノサイトと子宮頸部軽度異形成由来のW12細胞を用いて検討した。
TLR9のリガンドであるODN2006を添加するとAPOBEC3Aの発現が上昇した。また、HPV由来配列のオリゴヌクレオチドを添加すると、同じくAPOBEC3Aの発現が上昇した。APOBEC3Aの発現はTLR9下流のNFκBの阻害剤により濃度依存性に発現の低下が認められた。APOBEC3Aはインターフェロンの添加によっても上昇するが、IFNの投与後にオリゴヌクレオチドを投与することでAPOBEC3Aの発現に相乗作用を認めた。この相乗作用はIFN投与によりTLR9カスケードのMyD88発現上昇が関与することが示唆された。
APOBEC3Aの作用として、HPVゲノムへの作用が示唆された。オリゴヌクレオチドの添加によりW12細胞内に存在するHPV16のDNAにおいて、高頻度突然変異が生じていることが分かった。その配列はAPOBEC3にターゲットの配列であり、APOBEC3Aの発現上昇による作用であることが示唆された。
子宮頸部異形成への感染による自然免疫の作用としてAPOBEC3Aの発現が上昇し抗ウイルス作用を示すことが示唆された。子宮頸部への炎症によりAPOBEC3Aによる抗ウイルス作用は細胞内のHPVに対して高頻度突然変異を引き起こし、ウイルスDNAの宿主ゲノムへのintegrationを引き起こす可能性がある。

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公開日: 2021-01-27  

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