本研究はFoxp4分子の子宮体部類内膜癌の悪性化に対する役割を解明することを目的として、病理組織、細胞株を用いて検討を行った。154例の手術症例に対してFoxp4の免疫染色を施行したところ、リンパ節転移・術後再発症例は全てFoxp4発現上昇が認められた。また、Foxp4をノックダウンさせた子宮内膜癌細胞株では細胞増殖能が有意に低下していることが確認された。さらに、Foxp4をノックダウンおよび過剰発現させた細胞株をマウスの皮下に移植したところ、Foxp4の発現亢進が腫瘍形成を促進していたことが確認された。これらの結果はFoxp4発現誘導が類内膜癌の増悪化に関与することを示唆する結果である。
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