研究課題/領域番号 |
18K16806
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 宗影 熊本大学, 病院, 講師 (20626535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮内膜癌 / プロラクチン / ホルモン / 代謝性疾患 / 生活習慣病(高血圧、糖尿病) / 子宮内膜 / 妊孕性温存 / エストロゲン |
研究成果の概要 |
本研究において、子宮内膜癌の9割を占めるホルモン依存型とされるタイプⅠ子宮内膜癌のうち2割は高プロラクチンを呈した。高プロラクチン群の子宮内膜癌の特徴は、若くインスリン抵抗性がなく、PTEN変異を伴わないことから、この群は従来の群と比較して臨床背景や発癌機構が分子学的に異なる可能性が示唆された。子宮内膜癌細胞は、プロラクチンの刺激によりエストロゲン受容体を介したエストロゲンの作用も増強され、増殖能が亢進した。プロラクチン受容体の下流シグナルのうちMAPKを介したシグナルが重要であることが示唆された。
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自由記述の分野 |
腫瘍内分泌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホルモン依存型であるタイプⅠ子宮内膜癌の中で、高プロラクチン関連の子宮内膜癌は従来の子宮内膜癌と比較して臨床的ならびに分子学的特徴が異なることを明らかにした。そのため、従来の子宮内膜癌と異なる治療戦略が求められる。高プロラクチン関連の子宮内膜癌は若年者に多いため、治療として妊孕性温存療法を用いることが多いが、治療に難渋することも多い。既存の高用量プロゲスチン療法に加えて、ドパミン作動薬を併用し血清プロラクチン値を下げることが、高プロラクチン関連の子宮内膜癌の治療に有用である可能性がある。
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