研究課題/領域番号 |
18K16807
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
吉原 紘行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30812094)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 不育症 / 胎児染色体異数性 / 遺伝子多型解析 / ゲノムワイド関連解析 |
研究実績の概要 |
加齢により停止期が長いほど染色体数的異常が増加し、体細胞分裂では1%以下の染色体分配エラーが卵母細胞では10-30%起こる。その原因として、染色体接着を制御する減数分裂に関わるコヒーシンが加齢とともに減少することが分かってきた。減数分裂コヒーシン蛋白を構成する遺伝子STAG3など減数分裂特異的遺伝子について遺伝子多型解析を行ったが、有意なSNPsを認めず網羅的な解析を行うことにした。 胎児染色体異数性不育症患者192人を対象として、東芝「ジャポニカアレイ」を用いて、日本人の特徴的な66万か所のSNPsのタイピングを行った。国立国際医療研究センターゲノム医科学プロジェクトにおいて、SNP call rate>=95%, minor allele frequency>=5%, Hardy-Weinberg Equilibrium p>=0.001 などのクオリティコントロールを行う。通過したSNPsについて日本人1157人のリファレンスとχ二乗検定を行うも、GWAS有意水準に到達するSNPsは認めなかった。そこで、東北メディカル・メガバンクの日本人2万人のリファレンスを用いてゲノムワイド関連解析を行うことを計画した。また、東北メディカル・メガバンクのインピュテーションサービスを利用して、患者のタイピングデータについてもimputation解析を行いGWAS有意水準に到達するSNPsを見出す。日本橋にあるスパコンにて解析ができる準備が整い、解析を行っていくところである。スパコン利用が解析には必須であるが、コロナウイルス感染症拡大のため国内出張が制限されることがあり、解析が順調に進まない現状がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在東北メディカル・メガバンクの日本人2万人のリファレンスを用いてゲノムワイド関連解析を行っている。日本橋にあるスパコンにて解析ができる準備が整い、解析を行っていくところである。新型コロナウイルス感染症拡大と緊急事態宣言などによってゲノムワイド関連解析のための国内出張ができない時期があり、スパコン利用が進まず解析が大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
東北メディカル・メガバンクのスパコン上で、東北メディカル・メガバンク保有の日本人2万人の遺伝子型データと比較することでゲノムワイド関連解析を行う。また、東北メディカル・メガバンクのインピュテーションサービスを利用して、当院保有の患者遺伝子型判定データについてのimputation解析を行い、東北メディカル・メガバンクのスパコン上で関連遺伝子をみつける解析を行う。 東北メディカル・メガバンクの日本人2万人のリファレンスを用いてゲノムワイド関連解析を行う。また、東北メディカル・メガバンクのインピュテーションサービスを利用して、患者のタイピングデータについてもimputation解析を行いGWAS有意水準に到達するSNPsを見出す。また、ケース分類による解析についても行う。 有意水準に到達したSNPsについて、独立なサンプル群における再現性を確認する。マーカーSNPと連鎖不平衡にあるSNPの検討により、第一義的な疾患関連遺伝子を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大のため2021年度中に解析を終えることができなかった。東北メディカル・メガバンクの日本人2万人のリファレンスを用いてゲノムワイド関連解析を行うために必要なスパコン利用や出張費として使用する。 また、有意水準に到達したSNPsについて、独立なサンプル群における再現性を確認するための費用や論文投稿費用、学会発表のための費用として使用する予定である。
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