• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

子宮頸癌特異的ステムセルメモリーT細胞の同定と選択的増殖による新規免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16813
研究機関日本大学

研究代表者

加藤 侑希  日本大学, 医学部, 助教 (60733649)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードステムセルメモリーT細胞 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 抗PD-1抗体療法
研究実績の概要

Stem cell memory T細胞 (TSCM)は、既知のメモリーT細胞より未感作で、高い分化能と増殖能を有している。本研究では、TSCMの中でも特に、腫瘍抗原特異的なCD8陽性TSCMに焦点を当て、その細胞を、腫瘍内あるいは所属リンパ節において選択的に増殖する薬剤の探索および増殖のメカニズムの解明を行った。
腫瘍抗原特異的なCD8陽性TSCMは、数の少ない細胞集団であることから、フローサイトメトリー法で評価するのが困難であったが、人工抗原(SIY)を過剰発現させた癌細胞株を樹立するなど、実験系を確立させ、免疫チェックポイント阻害薬 (抗PD-1抗体および抗PD-L1抗体) の投与により、その数が増強することを明らかとした。続いて、抗PD-1抗体投与時に、どのシグナルを介して増殖し、その後、どのタイミングで、抗腫瘍能を有するセントラルメモリーT細胞やエフェクターT細胞に分化しているのかなどメカニズムの解析を行った。その結果、腫瘍抗原特異的なCD8陽性TSCMは、ナイーブT細胞から分化し、抗PD-1抗体投与時、主に所属リンパ節内で増殖することが判明した。また興味深いことに、増殖した腫瘍抗原特異的なCD8陽性TSCMは、PD-1 negativeであった。このことから、PD-1 positiveであるTCMやTEffから放出されるサイトカインなどがTSCMの増殖に関与している可能性が示唆された。
一方、CD8陽性TSCMの増殖を増強する治療標的探索実験では、複数の候補薬剤を同定し、更には、それら薬剤と抗PD-1抗体との併用により、相乗的な治療効果があることも担癌マウスモデルにおいて明らかとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Tumor-infiltrating lymphocytes predict survival outcomes in patients with cervical cancer treated with concurrent chemoradiotherapy2020

    • 著者名/発表者名
      Ohno Akiko、Iwata Takashi、Katoh Yuki、Taniguchi Shiho、Tanaka Kohsei、Nishio Hiroshi、Nakamura Masaru、Morisada Tohru、Chen Guanliang、Saito Miyuki、Yaguchi Tomonori、Kawakami Yutaka、Aoki Daisuke
    • 雑誌名

      Gynecologic Oncology

      巻: 159 ページ: 329~334

    • DOI

      10.1016/j.ygyno.2020.07.106

    • 査読あり
  • [学会発表] Tumor-infiltrating lymphocytes predict survival outcomes in patients with cervical cancer treated with concurrent chemoradiotherapy2021

    • 著者名/発表者名
      T.Iwata, H.Nishio, K.Tanaka, M. Nakamura, T.Morisada, G.Chen, Y.Katoh, D.Aoki
    • 学会等名
      SGO 2021 Annual Meeting on Women’s Cancer
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi