研究実績の概要 |
高齢不妊は老化による卵子の質の低下が主たる原因である。本研究では、抗老化物質として注目されていて、既にサプリメントとして販売されている Nicotinamide mononucleotide(NMN)及びNicotinamide riboside(NR)に着目した。 今年度は、再度実施した長期の 投与試験から得られたデータを解析し、関連する論文の作成と投稿作業を実施した。 NMN 投与試験を再度実施した結果、前回と同様に高齢マウスにおける着床率、産仔獲得率が改善する傾向が得られた。結果的には統計学的な有意差はなかった。 体外受精・胚移植の妊孕性試験と並行し て、投与試験に用いたマウスの各臓器(肝臓、脾臓、子宮、甲状腺、皮膚、卵巣)をサンプリング。それぞれ、組織学的解析と遺伝子発現解析(sirtuin family, p16)を実施。また、培養細胞を用いたin vitroでのメカニズム解析にて細胞の増殖および生存解析を実施した。しかしながら、結果として特徴的な変化は確認できず、期待した結果を得るには至らなかった。
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